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タイトル :理想の経営者像
配信日時 :2014/02/04(火) 09:00
配信数 :323

本文:

こんにちは。デザインプラスの中田です。

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■理想の経営者像

先月、久しぶりに映画を見てきました。
去年から話題になってた『永遠のゼロ』です。

映画がとてもおもしろかったので、
原作も読んでみたんですけど、素晴らしかったです。

原作者の百田尚樹氏にすっかり興味を持ったので
続けて昨年のベストセラー小説『海賊とよばれた男』も読んでみたんですが・・・
これがまた面白いのです!!
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この「海賊とよばれた男」というのは
出光興産の創業者 出光佐三をモデルにした小説です。

戦後の混乱期は、出光興産の主力商品である石油は
GHQによって輸入禁止となっていました。
製油所の操業も止められていたので
石油でまともな商売が成り立つ時代ではなかったわけです。

そんな中、重役たちは人員整理を進言します。
当然といえば当然です。

しかし、出光氏は「馘首はならん!」と言って
約1000人の従業員を誰一人クビにすることはしませんでした。

それどころか、自らの財産を躊躇なく売り払い、
それでもダメならば「店員たちとともに乞食をする」とまで言ってのけたわけです。

よく「人間尊重」とは言いますが、
ここまでできる人は恐らくほとんどいないでしょう。


実は、この男らしい経営者像は
私が10代の頃に描いていた理想像でした。

その理想像にあこがれて経営者になったわけです。
(もちろん金銭欲や名誉欲があったことは否定しませんけど。。。苦笑)

しかし、現実はどうでしょう。
理想像とはまったく程遠く、
正直言うと、近づける気すらしません。(泣)

器が違うというのも大いにありますが、
それだけでもないような気がしています。

と言いますのは、
"現代ではその理想像に近づこうとするほど
きちんと利益を上げることが難しくなる"からです。

このことがあって、
昔と現代の経営者には器の違いを感じてしまうのかもしれません。


私が21,22歳くらいの頃でしょうか。
当時ホリエモンが世を賑わしていて
「金で買えないものはない」といった価値観が
すでに幅広い世代で受け入れられていました。

私はそれに対してはどうでも良かったのですが、
ホリエモン氏が書籍などで語ってた次のようなことは
確かにそうだな、と思っていました

・利益率の高い商売
・在庫をできるだけ持たない商売
・大資本の要らない商売
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経営を持続させるためには、利益率は重要です。
コストも掛からなくて始められる商売が良いでしょう。
在庫を抱えなくて済むならなお良いです。

これは今でも十分通用する考え方です。

しかし、この考え方には問題もあります。

何かというと、
地道に良いものを作る努力を積み重ねる会社は駆逐され、
コストをかけず、さらに言えば何かを生み出すわけでもなく、
すでに世に在る財を利用して利益を出すところばかりが繁栄するということです。

例えば、トラックを自前で用意し 社員も大事にする運送業者よりも、
自前ではトラックも社員も一切抱えず、マーケティングを駆使して大量受注し
それを下請けに流すだけの身軽な運送業者が勝つわけです。

現代の経営者にとっては
社員やトラックは「コスト」という認識で一致しています。

でも、これは普通に考えて
誰かの努力(犠牲)の上に成り立っている成功と言えますし、
みんな同じことをやればすぐ成り立たなくなる泡沫のような成功です。

だけど、それすらわからなくなっているのは
それだけ近視眼的な価値観にとらわれた経営者が増え、
そういった者達が安易に賞賛される時代にあるということです。

現代では出光佐三のような公徳を貫く経営者は
非常に生きにくい時代なのです。


そんな殺伐とした時代だからこそ、
『海賊とよばれた男』が受け入れられているのかもしれません。
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それではまた。



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